アプリは火事場の馬鹿力?防災に寄与するスマホアプリ

アプリは火事場の馬鹿力?防災に寄与するスマホアプリ「東日本大震災」を境に、人々の自然災害に対する防災意識が高まっています。さかのぼれば、「阪神・淡路大震災」、近年の大雨、洪水、土砂崩れなど、この国に暮らすかぎり、自然災害の脅威にさらされているといっても過言ではありません。そのような背景から、国、地方自治体などをはじめ、IT関連企業が防災アプリに力を注ぎ始めています。

自然災害に対する防災アプリにはどんなものがあるのか?

現在もすでに複数の「防災アプリ」がリリースされていますが、その目的や仕様はさまざまで、

  • 地域性の高いもの、または全国単位のもの
  • 避難場所を指示してくれるもの
  • 安否確認ができるもの

そのほか、上記の要素をひとつにまとめた総合的なものなどがあり、ユーザーは自分の生活環境に合ったものを選択することができます。

代表的なアプリとしては、「防災速報(無料/ Yahoo! Japan)」や「goo防災アプリ(無料/goo)」といったものがあります。また、全国の避難所や給水拠点、医療機関などを網羅した「防災情報 全国避難所ガイド(無料/ファーストメディア株式会社)」など、特定の災害情報に特化したアプリもリリースされています。

「防災アプリケーション」の公募とコンテスト入賞作の紹介

防災アプリは、先述の通り「地方公共団体が地域住民向け」のものと「民間事業者が不特定多数のユーザーに提供」するものがあります。双方ともに長所がある反面、前者には「地方公共団体間におけるデータの互換性がない」、後者では「コンテンツ内容が必ずしも信頼できるものではない」という短所を抱えています。これらの問題解決に対しては、避難場所などの基本となる防災地理情報を全国統一し、さらに信頼性の確かな共用データとして整備、提供することで、汎用性のある防災アプリの開発を促すことが対応策のひとつになると考えられます。

このような観点から、国土交通省・国土地理院では、平成26、27年に「防災アプリケーション」の公募を実施。大手、中小企業、地方自治体などから、より防災に役立つ機能、さまざまなアイディアを搭載した防災アプリが寄せられました。昨年度、審査委員会によって「防災アプリ賞」に選定されたのは、「避難誘導支援部門」が「goo防災アプリ(NTTレゾナント(株))」、「リスクコミュニケーション部門」が「ARハザードスコープ鎌倉市版(株式会社キャドセンター)」です。

前者は災害情報のプッシュ通知、安否情報の登録、「Facebook」「twitter」といったSNSへの安否情報の投稿など、平時から災害時までさまざまなシーンで役立つ機能を搭載した防災アプリ。特に災害時に避難所への避難経路を表示する地図機能「goo防災マップ」が高く評価されています。後者はオフラインでも利用できるアプリ。利用する防災地理空間情報の種類が多いことに加え、操作性やレスポンス性などの完成度の高さ、ARと地図を連動したハザード情報の提供、防災意識の向上を図るためのクイズ機能を有するといった点が、受賞理由に挙げられています。

防災アプリ制作に欠かせない「mBaaS」技術

発生が懸念される「南海トラフ地震」「首都圏直下地震」などへの対応からも、防災に役立つ情報を提供するアプリの開発・配布は欠かせないものになりつつあります。今後も自治体が提供する地域密着型を中心に、国民の災害リスクを回避するため、精度の高い防災アプリ制作には拍車がかかることでしょう。

防災アプリには、「mBaaS(mobile Backend as a Service)」技術が活かされています。これはスマホ向けアプリのサーバ側のいろいろな機能を、インターネットを利用して提供するクラウドサービスのひとつ。内容は「SDK(ソフトウェア開発キット。プログラミング言語やAPIなどを用いたソフトウェアを開発するため、必要なプログラムやコンパイラなどをひとまとめにしたパッケージ)」「APIリクエスト数」「プッシュ通知」「会員管理・認証」「データストア」「位置情報検索」などが中心ですが、詳細は提供会社によって異なります。

例えばYahoo! Japanの「防災速報」アプリ版の場合、地震や豪雨、津波などの情報を、災害が起こる前にプッシュ告知で知らせてくれます。各種情報は、ユーザーが選んだ国内最大3地点、さらに位置情報機能を用いて現在地にも届けてくれます。また世界初の見守りアプリ「ココダヨ」は、自然災害発生時、通信が困難な状況であっても、家族など大切な人の居場所がわかることに加え、通常時でもお互いに同意したユーザーの間で、位置情報と安否情報を共有することが可能です(登録人数は最大4人)。

このように「mBaaS」は防災アプリに用いられ、有効な災害、避難情報をいち早くユーザーに伝えています。今後も増えていくであろう防災アプリの開発には、「mBaaS」は欠かせない技術といえるでしょう。

参考:

mbaasのメリット mbaas導入時に考慮すべき課題

葛城伯符

あちこちを見聞し、雑文を書き、ある時は写真を撮っている文筆写真師。IT系を含め、エンタメ、スポーツ、歴史(日本&世界)、競馬、街歩き、就職関連、オカルト、各種雑学ほか、ありとあらゆる分野に出没している。最近、デジ絵制作の楽しさに目覚め、修業中。

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